第2杯 コモン縛り殿堂ゼロ杯
前回大会の模様はこちら
開会宣言
天は人の上に人を作らず、人の下に人を作らず。しかし、タカラトミーはコモンの上にアンコモン、レア、ベリーレア、スーパーレア、はたまたビクトリーやらマスターレアなど大量のカードを刷ってきた。
光り輝くレアカードたちはショップのショーケースの中で3ケタ、はたまた4ケタの値札を付けられる一方、溢れんばかりのコモンカードたちは一緒くたに暗いストレージに入れられ、脂ぎった汚いカードオタクの客の手に触られ、その殆どが見向きもされずにストレージに戻される。日の目を浴びるのはほんの一握りだけ・・・
そんなコモンカードたちを救うため一人の男が立ちあがり、こう宣言した。
「次の大会はコモンカードだけでデッキを組んで戦おう」
この瞬間、コモンカードたちは大会の”主役”と成り上がった。
ストレージからの逆襲が今、始まる。
(第2杯にして仰々しい書き出しがコーナー化しました。これ書くの楽しいんですよ。)
今回のルール
今回の大会はコモン縛り殿堂ゼロ杯!デッキのカードが全てレアリティ[C]のカードのみでデッキを構成するぞ。詳しい縛りは以下の通りだ。
- メインデッキ、GRデッキ含めてすべてのカードをコモンのカードで構成(レアリティが付いていないカードも使用不可)
- 殿堂カード、プレミアム殿堂カードも4枚使用可能
- 再録されてレアリティが変わったカードについては、1度でもコモンで収録されていれば使用可能
デッキの構築に大幅な制限が加えられるため、使えるカードの豊富な知識とメタを読んだデッキ構築が勝利へのカギとなるだろう。
これをふまえてデッキの考察を行っていくぞ。
デッキ考察
せっかくの殿堂ゼロなので、殿堂カードのうち使えそうなカードを探してみる。プレミアム殿堂カードからは、『ミラクルとミステリーの扉』と『次元流の剛力』。殿堂カードからは『アラゴト・ムスビ』『エメラル』『光牙忍 ハヤブサマル』『スパイラル・ゲート』『ゼロの裏技ニヤリ―・ゲット』『ダンディ・ナスオ』『ドリル・スコール』『パラダイス・アロマ』『次元の霊峰』
どれも強力なカードではあるものの、コモンカードしか使えないとなるといまいちパワーに欠ける。エメラルが4枚使えることを活かして青単でビートダウンデッキを作るのも一つの手だが、軽量のドローソースに乏しいためパワーダウンは免れない。何か、採用カードが殆どコモンで構成された強いデッキがあれば、それをアレンジしてデッキを作れるのだが・・・
あった
そう、みんな大好き「バグ丸君コントロール」だ。
バグ丸君自体がコモンなのでデッキのコンセプトを崩さずに済む上、その豊富なドロー力と墓地回収を活かしてハヤブサマルを大量に手札に抱えることができる。相手の手札を枯らし、盤面のアドバンテージを取って最後に一斉攻撃をかければコモンデッキ相手なら十分致死量になり得るだろう。
ここで賢明な読者の方の中には「バグ丸くんは確かにコモンだけど、オーバーキル・グレイブヤードは[UC]だからデッキが成立しなくない?」と考える方もおられるだろう。そう、バグ丸コントロールにはグレイブヤードが必要不可欠。何か、コモンで同じような効果のカードがあればいいのだが・・・
あった
これでバグ丸コントロールのパーツは揃ったのでデッキを組んでいく
デッキレシピ
ということで完成したレシピがこれだ
デッキ名『バーガーキング』
まず継続的なリソース確保の手段として『激天下!シャチホコ・カイザー』を採用した。シャチホコでバグ丸を出し続けることで継続的に除去を飛ばすことができる。よって、相性の良いコスト3以下のクリーチャーを多めに採用している。できればより相性のいい『コオニ童子』か『特攻人形ジェニー』を採用したかったがまさかのレアリティ[UC]だったので断念。
残りのカードについても採用理由を簡単に解説していく
『ミチズレ入道』2枚:5枚目以降のバグ丸として採用、ドローは無いけど自前でスレイヤー付けてくれる利点もある。
『光牙忍ハヤブサマル』4枚:これができるのが殿堂ゼロの魅力、ラスト1点が通る気がしない。
『西部人形ザビ・バレル』3枚:軽量ハンデス兼ブロッカー。マッドネスを採用する程デッキに余裕は無いはずなので、相手に選ばせるハンデスも積極的に採用していく。
『改造治療院』2枚:トリガーでハンデスして次のターンの後続を潰す。墓地のハヤブサマルを回収できるのでテキスト以上のストップ力がある。
『KAMASE-BURN!』4枚:ルナークロロが居れば実質デーモンハンド。最悪手で撃っても安いので採用。このルール中でも最強に近いトリガー(本人視点)
『ドクロ・べーヤン』3枚:シャチホコで出せる墓地回収。やっぱり拾うのはハヤブサマル。
『ドクバリ変怪』4枚:ハンデスも良し、手札を回すのも良し。なによりしっかりと打点を作ってくれると言うことなし。
『埋葬の守護者ドルル・フィン』2枚:高パワーのブロッカー。墓地肥やしもシャチホコと相性ヨシ。
『ハサミ怪人チョキラビ』2枚:バグ丸がファンキー・ナイトメアなので入れてみた次第。こいつの居る時にバグ丸を出せば2ドローできるというのはなかなか魅力。
『解体人形ジェニー』2枚:攻勢に出る際に相手のハヤブサマルを落とす要員。
『超次元リバイヴ・ホール』4枚:シャチホコを出すため4枚採用。ハヤブサマルも回収できる(定期)。
<GRゾーン>
『超衛の意志 エイキャ』2枚:シールド・セイバーで疑似的に盾を増やしてくれる優秀な子。(GRゾーンの選択肢が少なすぎて書くことが無い)
『防護の意志 ランジェス』2枚:ブロッカー要員。
『ソゲキ 丙-一式』2枚:ハンデスができる。
『ゴウモン-丙二式』2枚:上に同じ。
『サツイ-丙一式』2枚:自前でスレイヤーが持てるのでカマセバーンと相性ヨシ。
『トムライ-丙三式』2枚:ミラーマッチ対策に。ポクタマと似たような運用。パワー3000なのでカマセバーンとも相性ヨシ。
<超次元ゾーン>
『勝利のプリンプリン』2枚:殴れる防御カードとして採用。超次元も選択肢が少なく、適当に詰め込んだ。
『アルプスの使徒メリーアン』1枚:ブロッカー。以上!
『激相撲!ツッパリキシ』1枚:採用理由は謎です何かに使えないかと思い、1枚だけ入れてみた。
制約の強い中、かなり完成度の高いデッキになったはず。あとは大会当日を待つだけ・・・
大会開始!
大会当日の22:00、例のごとくDiscordに集まったのは計3人。
チーズ氏、私ことフナ少佐、そして今回の主催のハルプブ氏だ。
私以外の2名の詳しい紹介はこちら
参加者が少なかったので総当たりで行った。私の対戦の模様を相手のデッキと共にまとめておく。
1回戦
対戦相手:ハルプブ氏
デッキ:青緑サイバー速攻
キユリで軽減したクリーチャーを展開しながらビートするデッキ。エメラルで盾を埋めながらパラダイスアロマで展開が可能なのが魅力。
こちらの先行、相手は1ターン目にハコフを召喚するものの、バグ丸くんで除去。1ドローをしてアドバンテージを取っていく。
キユリのアンタッチャブルに苦しめられ、シールド残り2枚になるまで攻められたものの継続的なブロッカー展開とハンデスにより後続を出させず、横に並べたクリーチャーの過剰打点で勝利。
2回戦
対戦相手:チーズ氏
デッキ:青単サイバー速攻
エンペラー・ティナやアストラル・ラッシュといった進化クリーチャーで速攻をかけるデッキ、エメラルで埋める以外の用途を捨てたクイック・スパークのセンスが光る。
こちらの後攻。序盤にいいように攻められ、シールドを残り1枚にされるもトリガーで出た改造治療院とハヤブサマルのブロックで相手の盤面を更地に、そして手札も0にすることに成功。
こちらも除去札に不安が残るため早めに攻勢をかけ、後々踏んだらマズそうな仕込んである盾をブレイク。スパイラルゲートを踏み、打点が不足したもののプレッシャーをかけるため仕込んであるもう1枚をブレイク。しかし宣言されたトリガーは『オンセン・ブレイン』一気に3ドローさせてしまいちまちま重ねたハンデスが無に帰した。
先ほどまでとは一転、不利な状況に立たされる。バウンスを繰り返され打点が揃わない中、先に動いたのはチーズ氏、トリガーが無ければば敗色濃厚だが・・・
ギリギリのところでカマバを引き、盤面を片付けることに成功!返しのターンにブロッカーを立てつつ打点を揃えて殴り切り、勝利をもぎ取った。
大会成績
と、いうことで最終的な成績はこちら
優勝:フナ少佐
デッキ名:バグ丸コントロール
成績:2勝0敗
と、言うわけでメタ読みがバッチリ嵌った私のデッキが見事優勝を飾った。反省点としてはドルルフィンの墓地肥やし効果が後半になってくると邪魔になってしまったので、『葬送の守護者 ドルルン』の方が全体的に取り回しやすくデッキコンセプトにもマッチしていたように感じた。
準優勝:チーズ氏
デッキ:青単サイバー速攻
成績:1勝1敗
デッキの完成度も高く、今回のルールの利点を上手くいかせたデッキではあったがさすがに除去コンには相性が悪かった。しかし似たようなデッキタイプ相手には進化クリーチャーのパワーで押し切り見事2位を勝ち取った。
3位:ハルプブ氏
デッキ:青緑サイバー速攻
キユリでの軽減を活かした速攻と着眼点は光るものがあったが、キユリで軽減した先の強力なカードがコモンに無かったのが致命傷となってしまった。
総括
3人という人数の少なさゆえか相性で有利だったバグ丸くんが優勝をもぎ取った。構築の縛りの厳しさとメンバーのリアル事情により参加者は少なかったものの3者3様のデッキを持ってきていて、各人の個性が見られた大会であった。
筆者あとがき
前回とは毛色が変わり、真面目なコンセプトの大会の模様をお届けしました。おおむね想定していた通りの環境であり、有利に立ち回れたので非常に気持ちの良い大会でした。
次回は「第3杯 エアプデッキ杯」の予定です。